旭区I -Architecture Collection-

大阪旭区に建つ木造の住宅です。
住宅街の中でも比較的大きな区画がの残る一角にこの住宅はあります。
窓の無い特徴的な外観は、生活空間を中庭に面して配置し、周辺環境から適度な距離を確保したことによるものです。
もう一つの特徴である路地を通って玄関に至るアプローチは、日本の伝統的な空間構成を現代にアレンジしています。


敷地の中央に設けた中庭は、木製の格子によって道路と区分されています。
格子は、道路を通行する人の視線を緩やかに遮り、家と街との距離感を適度に保つ効果があります。
外観は一見すると無機質な箱の組み合わせですが、木の格子を組込むことで「和」の雰囲気を醸し出しています。

アプローチ空間はこの建物の大きな特徴です。
路地を進むとガラスの箱の玄関空間があります。
日が沈むとガラスの箱から光が漏れだし、路地空間に「奥行」を感じさせてくれます。


ガラス箱の玄関空間と、それに続く階段です。
階段室は建物の最も奥に配置されていることから、トップライトを設けて光を取り入れています。
そのため、太陽の動きに合わせて影が移ろい、表情豊かな季節や時間の変化を感じられる空間となっています。


生活の中心となるリビング・ダイニング・キッチンです。
通常の木造では難しい広さを、大断面木材を使うことで実現しました。
キッチンは家族のコミュニケーションの中心であり、同時にインテリアの一部でもあります。
そのため、キッチンの形や素材は、建築空間やテーブル等の家具との関係を大切にしながら決定しました。
特に素材の色調は光の状態を考慮しながら微妙に調整し、チークの床と合わせて、落ち着いたインテリアとなることを目指しました。

Designer Information
name:有限会社UKAI建築事務所 鵜飼 聡 鵜飼 一登美
office:東京都中野区中野4-11-5-406
tel:03-3388-5246
e-mail:u-archi@ac.auone-net.jp
URL:http://www.h6.dion.ne.jp/~ukai/